【第10回十和田市写真コンテスト】

<総評>

十和田市写真コンテストの審査を終えて

写真家 和田光弘

 

今回もまたたくさんの応募がありました。年々レベルが向上していることを実感しております。その分審査に時間が掛かることになりました。審査は慎重かつ厳正なる態度で臨み、コンテストのタイトル通りに”十和田市を感じる写真”を中心に選ばせていただきました。

今回の最優秀賞になりました「松見の滝」は紅葉が素晴らしい季節に雪が見られるというなかなか見られない写真であり、作者の方もその光景に感動した喜びが伝わってくるようでした。優秀賞の「春うららか」は雲海を背景にして、手前の赤と緑のコントラストが美しい写真です。その他も感動する作品が多数あり、写真芸術の面でも優れている作品を選びました。

写真は二度とない出会いの瞬間を記録します。まったく同じ時刻に同じ風景を撮影しても、まったく違う印象で仕上がるのが写真の面白さです。それぞれの感性や個性がこれからもどんな写真を見せてくださるのか、皆様の独自の感覚で、新鮮な作品が多く寄せられることを楽しみにしております。

最優秀賞

『初雪』

撮影者:

山上 敏昭さん

撮影場所:

松見の滝

講評:

全体のバランス、紅葉の色合い、白から緑、黄色、赤のコントラストが素晴らしい時期に撮影ができ、まぼろしの滝と言われている松見の滝まで簡単に入れないと言われているところでの撮影はなかなか大変だったと思います。この季節のこの風景は珍しいと思うと同時にこの風景に辿り着いた作者の気迫を感じました。

十和田市写真コンテスト

優秀賞

『春うららか』

撮影者:

中野渡 誠さん

撮影場所:

高森山展望台

講評:

八甲田山をポイントにして、低いところに雲海がでて、つつじの赤と緑の調和も良く、構図も非常に安定している。

優秀賞

『湖畔の明かり』

撮影者:

館山 昇さん

撮影場所:

十和田湖 休屋

講評:

十和田湖の湖水まつりのひとコマだと思います。白鳥のボートを手前にポイントとして配置し、背景の花火のバランスと湖面にハイライトが映り込んでいるのも良く撮れている。

優秀賞

『永久の輝き』

撮影者:

白山 健悦さん

撮影場所:

十和田湖 休屋

作品へのこだわり:

乙女の像を幻想的にとらえています。木の枝についている雪が雰囲気を一層高めています。乙女の像の背景から当たるハイライトをうまく隠して浮き上がらせている表現が心憎い。スローシャッターで白く浮かび上がらせた枝も神秘性を強調できて素晴らしい。

優秀賞

『錦紗の帯』

撮影者:

柳谷 昌輝さん

 

撮影場所:

十和田湖 遊覧船

講評:

紅葉の最高のときに御倉半島の先端を思い切って切り取った構図感覚が素晴らしい。水面に模様を描いた落ち葉の航跡もおもしろい。

特別賞

『夜桜の道』

撮影者:

小笠原 正明さん

撮影場所:

十和田市官庁街通り

講評:

現代美術館の夜景の美しさが際立っている。1本の木をポイントにして、雪が枝についている感じが桜の満開のイメージに見ているのも面白い。また家族の光景も心に残る。

入選作品

『躍動』

撮影者:

坂本 範彦さん

撮影場所:

十和田湖

講評:

しぶき氷のスローシャッターによる氷の造形はよいが、十和田湖の象徴である小倉半島が隠れているのが少し残念である。

入選作品

『代田の朝』

撮影者:

清水目 章司さん

撮影場所:

十和田市洞内

講評:

雲海による映り込みは大変素晴らしいと思いますが、画面上のスペースが多すぎるように思います。

入選作品

『オブジェと花火』

撮影者:

逓駅 隆英さん

撮影場所:

十和田市官庁街通り 野外アート広場

講評:

現代美術館の草間彌生さんの作品を取り入れながら、花火の露光が良い。全体的な構図がしっかりしている。

入選作品

『静寂を灯す』

撮影者:

鳥谷部 保さん

撮影場所:

十和田湖休屋乙女の像付近

講評:

ブルーの光が残っている時間帯に浮き輪をうまく取り入れた造形美がある。左側の光が弱いのが気になる。

入選作品

『夜明け待つ』

撮影者:

青山 一夫さん

撮影場所:

紫明亭展望台

作品へのこだわり:

長時間露光で雲海がでている休屋の光をポイントにしながら星を流し、今までにない作品に仕上げている。ただし作品にダイナミックさがないのがもの足りない。

 

入選作品

『高原の春』

撮影者:

松橋 洋司さん

撮影場所:

湯の台高原

講評:

早春の湯の台で一本の木を入れながら牛との配置がよい。ただし、背後の山の上部が欠けているのが残念である。画面の雄大さが半減したのが残念である。

入選作品

『錦秋の湖畔』

撮影者:

相内 悦子さん

撮影場所:

十和田湖 十和田湖船上写真撮影会

講評:

湖上撮影会での撮影で、全体のバランスと紅葉の美しさ、それにモーターボートの動感とがからみあって、秋の爽快感が表現されている。

 

入選作品

『青空映して』

撮影者:

相内 悦子さん

撮影場所:

十和田市官庁街通り

講評:

美術館の作品を満開の桜の下で映り込みのブルーがとりわけ素晴らしい。もっとワイドレンズで桜並木も取り入れたら一段と素晴らしさが増すと思う。

入選作品

『晩秋・雪花』

撮影者:

郡山 巌さん

撮影場所:

十和田湖 御鼻部山展望台

講評:

紅葉の木々に雪が降りついたすぐの撮影ができるシャッターチャンスは多くないが、よく御鼻部山まで出かけて撮影したと思います。ただし、全体に画面がフラットな感じが残念に思う。

 

入選作品

『リンゴっ子』

撮影者:

小笠原 あけみさん

撮影場所:

三本木農業高校駅ホーム

講評:

電車のホームでの子供たちのリンゴをもって寄り添っている姿が微笑ましい。また、背景の映画のポスターの配置も良い。

入選作品

『朝もやの蔦沼』

撮影者:

佐藤 幸一さん

撮影場所:

蔦沼

講評:

素晴らしい風景の写真でポイントも野鳥、航跡などがよく配置されている。写真的にはもっと上位に入る写真ですが、十和田市の印象がすこし弱いと思います。

 

入選作品

『渾身こめて放つ』

撮影者:

藤林 哲夫さん

撮影場所:

十和田市緑地公園

講評:

流鏑馬(やぶさめ)の写真が多く出品されますが、流し撮りによる躍動感がよく出ています。一瞬のチャンスですから難しいと思いますが、矢が放たれた瞬間を捉えるともっと醍醐味が増すと思います。

 

入選作品

『燃える秋』

撮影者:

畠山 チヨさん

撮影場所:

蔦沼

講評:

蔦沼の紅葉と色温度による赤の色彩が素晴らしい。また、大胆にフレーミングしたのが良い。

 

入選作品

『狙う』

撮影者:

脇田 邦稔さん

撮影場所:

十和田市緑地公園

 

講評:

スローシャッターによる動感が馬と人の動きを際立たせたシャッターチャンスが素晴らしい。

 

入選作品

『十和田湖~黎明』

撮影者:

皆川 哲次郎さん

撮影場所:

十和田湖

講評:

雲海の十和田湖の早朝、手前の木のバランスは良いが、紅葉が少し過ぎているのが残念である。

入選作品

『厳寒の渓谷』

撮影者:

中野渡 俊彦さん

撮影場所:

奥入瀬渓流 雲井の滝

講評:

雲井の滝の冬景色であるが、岩についた氷の造形がおもしろい。

入選作品

『サンバ』

撮影者:

上坂 正夫さん

撮影場所:

産馬通り

講評:

産馬通りで繰り広げられたサンバカーニバルは、これからの十和田市の風景になっていくと思います。 初の応募作品のお目見えとなった。全体的に祭りの雰囲気が伝わってくるが、もっとアクション的なカットが欲しかった。

▲このページのトップへ

© Copyright 2011.towada-kankou.jp All rights reserved.

このサイトは(一社)十和田奥入瀬観光機構が運営しています。

このサイトについてプライバシーポリシー